剛性の高い鉄骨を、正三角形に組み、立体的に構造を持たせたものがトラスです。もっと有名なトラス構造の建物は、東京タワーです。
トラスには、平面トラスと立体トラスがあります。
平面トラスは、同一平面内、つまり鉛直方向の外力に抵抗するために、鉛直方向の平面に配したトラスのことを言い、これに対して、立体トラスとは、同一平面に配するのではなく、四角錐を為すように、上弦材と下弦材の間に、鉄骨を配するものであります。
いずれも、トラス構造なので、長スパンの梁やスラブが設計可能です。
トラスの為す3角形の接合点は、ピン接合でもトラス構造は保たれますが、若干量の曲げモーメントとせん断力が生じます。
しかし、無視できる量なので、複雑な曲面などを構成する場合は、接合部にボールジョイントを使うことも普通に可能です。
一般向けの住宅建築に、トラスを使うというのはなかなか無いことですが、どうしても長いスパンの梁が欲しい時などは、検討してみることも可能です。
その場合、スパンを支える柱と一体的にラーメンを考えつつ、その断面をトラスにするように考えます。
この場合、柱も梁も、随分太くなるので、エクステリアも同時に考慮して、外観の優れた住居にすることが大切です。
鉄骨でトラスを組んであるその構造美を生かせば、意外と美しい建築物が出来るかもしれません。